社交ダンス|ラテンドレス:パソドブレ
社交ダンスのラテン種目「パソドブレ」には専用のドレスがございます。
ラテンドレスの中では「パソ用」を(特にレンタルで)お探しの方が多い印象ですが、それには明確な理由があります。
競技会ではラテン5種目すべてを1着のドレスで踊るため、わざわざパソ用ドレスで競技に出る方が少ないという現実があります。
現在、インターネットを介した通信販売で海外の競技選手が着用した中古ドレスを購入する方が大変多くなりましたが、競技選手のラテンドレスには「パソ用」の割合が少ないため、市場に出回っているパソ用の中古ドレスがそもそも少ないということになります。
そのためパーティーでデモを踊るためにパソ用ドレスをお探しの方にとっては、通販で見つけることがなかなか難しいという状況です。
こちらの記事ではパソ用ドレスの特徴や選び方、フジタで過去にお作りしたパソ用ドレスをいくつかご紹介いたします。
社交ダンス ラテン種目のパソドブレとは
スペインで国技とされる闘牛をイメージしたダンスがパソドブレ(Paso doble)です。
社交ダンスの種目にはそれぞれルーツや特徴がありますが、パソドブレは中でもとりわけ印象深い、強い特徴のダンスかと思います。
闘牛をイメージした力強い情熱的な音楽で、大胆な振り付けで踊る種目になります。
リーダー(男性)がマタドールと呼ばれる闘牛士を、パートナー(女性)は闘牛あるいはケープを表現しながら踊ります。
ケープの色は赤という印象が強いかと思いますが、牛を興奮させるために赤が使われているのかと思いきや、牛には色覚がないそうです。牛が興奮するのはケープの色ではなく、ケープの派手な動きによるものです。
ということで牛というよりは観客を盛り上げるために、赤など強い色のケープが使われることが多いようです。
パソ用ドレスの特徴
闘牛、あるいはマタドールが手に持つケープをイメージした女性のパソ用ドレスはスカート丈が他のラテンドレスよりも長く、大きな円周をとっている円形スカートが最大の特徴になります。
スカートを手で持って大きく振りながら踊る振り付けが多いため、円周の小さいスカートでは情熱的なパソドブレの世界を十分に表現できません。
また、外からの見た目ではスタンダード用のドレスと変わらないくらいのスカート丈があるため、パソ用ドレスをラテンドレスとは思われないお客様もいらっしゃるのですが、スタンダードドレスとはお作りが異なりますのでご注意いただきたいと思います。
通常、スタンダードドレスはスカートの枚数が3枚~4枚ありますので、スカートを手に持って振りながら踊るというのは難しくなります。
パソ用ドレスのスカートはスタンダードドレス並みの長さがあるとは言え、1枚仕立てで手に持ちやすく、振りやすい仕上がりになっています。
ドレスの生地については、重量感のある大胆な動きを表現するため、他のラテンドレスとは異なり厚みのあるサテン地を使うことが多くなります。しなやかに動くサテンは光沢が美しい生地ですが、重さがあるためパソ用以外のラテンドレスにはあまり使用しません。
パソ用ドレスのカラー
パソドブレ衣装のカラーとしては、赤が圧倒的に人気のあるお色です。
前述の通り、闘牛で「ケープは赤」というイメージが強い影響でしょう。
血の色という意味もあるかもしれません。
スタンダード種目であるタンゴでも赤が人気色ですが、情熱的な踊りには赤いドレス、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
黒も人気色ですが、リーダーの衣装と被ることを気にされる方も多いため、黒単色よりは赤と組み合わせたドレスの方が人気が高い印象です。
ただ一般的にパソ用ドレスは市場に出回っている数が少ないこともあり、頻繁にパソドブレを踊られる方だと、ワンパターンで飽きてしまうというお言葉もよく聞かれます。
そのためフジタでは赤・黒以外のカラーでもたくさん既製品をお作りするよう努めております。
パープル、ゴールド、グリーン、フューシャバイオレット、ネイビーなど、濃いめのカラーで、あるいはそれらを黒と組み合わせたドレスが好評です。
パソ用ドレスのいろいろ
フジタでデザイン・製作したパソ用ドレスをいくつかご紹介いたします。
パソドブレを好んで頻繁に踊られるお客様ですと、パソ用ドレスをフルオーダーでお作りになる方もいらっしゃいます。(フジタのフルオーダーについてはこちらをご覧ください)
もちろん一度だけ踊ってフジタにお返しいただくオーダーレンタルでも、パソ用ドレスをデザインから製作することが可能です。(オーダーレンタルドレスについてはこちらをご覧ください)
パソドブレのスカート
レッスン用に、あるいはメドレーを踊られる際の早変わりスカートとして、パソ用スカートもお作りしております。
パソ用ドレスと同様に、円周をたっぷりとった円形スカートで、手に持って振りながら踊ることができるスカートです。
フリルやモチーフなど、装飾がついた商品はデモ本番でお使いになる方もいらっしゃいます。
カラーや丈の長さなどにこだわる方にはフルオーダーをおすすめしております。
パソドブレの衣装について解説しました。
ダンスとしては音楽が力強く気持ちが盛り上がりやすいこともあってか、アマチュアダンサーにも大変人気がある種目です。
フジタのお客様でも毎年パソドブレを踊り続けている方もいらっしゃいます。
パソ用ドレスはお電話でのお問い合わせも多く、初めてフジタのショールームにご来店いただくきっかけがパソ用という方も定期的にいらっしゃいます。
「パソ用ドレスがこんなにたくさんあるお店を見たことない」と初めてのお客様からよくお言葉を頂戴いたします。
パソ用をお探しの際は、ぜひお気軽にフジタ本店までご相談ください。
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ブログ監修者
川合 真桜子
(かわい まおこ)
ダンサー、オペラ歌手。 JDCプロフェッショナルラテンアメリカン元B級 EJBDFプロフェッショナルラテンアメリカンB級、プロフェッショナルスタンダードC級 東京音楽大学 声楽演奏家コース卒業。 同大学院修士課程オペラ研究領域修了。 東京二期会オペラ研修所予科特待生、本科特待生、本科修了時に奨励賞受賞、マスタークラス特待生。 これまでに「コジ・ファン・トゥッテ」よりデスピーナ役、「秘密の結婚」よりカロリーナ役、「魔笛」よりパパゲーナ役、「ドン・ジョヴァンニ(抜粋)」よりドンナ・アンナ役等を演じる。 2019年よりフジタのスタッフとしても就業中。