社交ダンスドレス|流行の羽根・フリルフロートへリフォーム
社交ダンス用ドレスの世界にも流行があります。
もちろん流行を追う・追わないはご自由なのですが、昨今は腕に羽根やフリルを付けたい、フロートをゴージャスな羽根飾りに変更したいといったお問い合わせをたくさん頂戴しておりますので、リフォームの参考事例をご紹介いたします。
あくまでも下記は参考価格でございまして、実際にはご要望の内容や使用素材により価格は異なって参ります。リフォームをご検討されたい方はどうぞご相談ください。
1. 社交ダンスドレスの流行について
1-1. 現在の流行
最も目立った流行は、スタンダードドレスのアームに大きく立体的な飾りが見られることです。
羽根(フェザー)はもともと(アームに限らず)流行中でしたが、フロートなのかドレス本体なのかわからないほど大きな羽根飾りでアームを覆うデザインが多くなりました。
また羽根に限らず、フリルやリボンでアームに大きな飾りを付けているドレスもよく見られます。
特に若いダンサーほど、大きく立体的な飾りを好んでいるようです。
1-2. 流行を追うべき?
「社交ダンスドレスに流行はあるのか?」という質問には「あります」とお答えしております。
しかし皆様が流行を追ってドレスを選ばれるわけではありませんので、気にしない方はまったく気にせずご自身のお好きなドレスを選ばれていらっしゃいます。
フジタではあまり流行を気にしないように、とはよくお話しております。
理由は簡単で、流行はヨーロッパからやってくることがほとんどですが、平均して日本人の体形は欧米ダンサーの体型とはかなり異なります。そう簡単に流行だからといって欧米ダンサーのドレスを真似しても、格好良く素敵に見えるとは限らないからです。
平均身長も、リーチの長さも、骨格や肩幅も、腰の高さも、脚の長さも、日本人の平均と欧米人の平均ではあまりにも違います。
もちろんご自身の体型に自信のある方や、体型の問題ではなく流行のデザインを着たい!と仰る方もいらっしゃることでしょう。
ただフジタでは、ご自身の長所を生かしたお似合いになる一着を見つけたいというお客様に対しては、流行を気にせずバランス良く、格好良く、最も素敵に見える一着を探しましょう、とご提案したいという気持ちです。
ということで流行の羽根飾りをお手持ちのドレスに追加したい、というご希望を頂戴した場合でも、大きさやバランスについてはお客様とよくお話をさせていただいております。
身長とリーチの長さ・バランスを大切に、流行だからといって立体的な飾りが主張しすぎないようなデザインをご相談させていただいております。
2. 社交ダンスドレスの羽根フロート
ここからは羽根の飾りをリフォームでお付けする場合の参考事例をいくつかご紹介いたします。
2-1. オーストリッチ
羽根・フェザーといえば、と言うほど大人気、羽根の代名詞とも言えるオーストリッチをご紹介します。
2-1-1. オーストリッチの価格を解説
オーストリッチはストーンと共に価格が高騰している材料の代表です。
輸入品のため円安の影響も大きく、仕入れ価格は数年前の倍以上に跳ね上がっています。
そのためフジタでオーストリッチを付けるリフォームをされる場合には、仕入れタイミングによって価格が大きく異なります。
価格高騰前に仕入れた羽根と、これから新たに仕入れる羽根では全く原価が異なりますのでご了承いただきたいと思います。
また、オーストリッチボアを使用する場合には、羽根の密集度が重要な価格のポイントになります。画像をご覧ください。上の黄色い羽根と、下の赤い羽根は同じ1本2ヤード(180cm)のオーストリッチボアですが、羽根の密集度がかなり異なります。仕入れタイミングによって価格は異なりますが、2024年10月に仕入れた場合、上の黄色い羽根で1本2万4千円、下の赤い羽根で1本3万8千円にてご提供いたしました。(こちらの赤い羽根よりもっと羽根が密集したボアをご用意することも可能ですが、羽根は重量もあるため、ダンス用ドレスにはそこまで重い装飾はおすすめできません。)
お客様からは「羽根を付けるといくらですか」と羽根の価格を聞かれることが多いのですが、一言でお答えするのは大変困難です。羽根の種類、形状、オーストリッチの密集度、羽根の長さ、仕入れタイミングなど様々な要因により、羽根の価格も様々であることをご理解いただけると幸いです。
2-1-2. オーストリッチを使ったリフォーム事例
オーストリッチボアをそのまま使うリフォーム
一般的に「ボア」と呼ばれる1本2ヤード(180cm)長さのオーストリッチをそのまま加工せずに使った事例です。
この場合、どのようにドレスに装着するかによって多少料金が異なりますが、最も高額なのは羽根本体です。
仕入れ時期や羽根の密集度によって1本(180cm)あたり2万円から4万円程度の価格差になります。
下の写真の赤丸をした部分は、それぞれ1本(180cm)を異なる付け方にしたものです。
(参考)リフォームご費用 | オーストリッチボア1本付ける ¥22,000より(税込) |
内訳 | ・オーストリッチボア1本 ¥20,000~ ・加工作業代金 ¥2,000~ ※オーストリッチの価格は仕入れタイミングや密集度により異なります。 ※ドレスに羽根を装着する個所や方法、取り外し可能式にする場合など、加工代金も様々ございます。 |
なお羽根の在庫確認につきましては、お電話でお答えするのが大変難しくなります。
高価なお品物ですので、カラーと羽根の密集度を実際にご覧いただいてご納得いただく必要があると考えております。
例えば「赤いドレスに赤い羽根を付けたい」とお電話いただくこともございますが、赤と一口に言っても様々な色味の赤がございます。カラーはお写真でご確認いただくことも難しいため、羽根の色確認には原則としてご来店をお願いしております。ご了承の程お願い申し上げます。
オーストリッチのボア・塊を加工して使う
オーストリッチのボアを小さくカットするなど、加工したフロートも人気です。
羽根にリボンを付けたボンボンスタイルでアームから垂らしたり、あるいはリストバンドやアームバンドに羽根を巻き付けるスタイルもおすすめです。
価格はオーストリッチ1本(180cm)の範囲内であれば、少量でも全量でも羽根本体の価格は同額です。あとはどのように装着するかによって、料金が多少異なります。
例えば腕に巻き付ける場合、羽根を縫い付ける土台の生地に強さが必要です。露出した腕に羽根だけを直に巻いたり、ネット素材のお袖に羽根を縫い留めることはおすすめしておりません。(ネットが破れる可能性があります)
リストバンドやアームバンドなどの土台をお作りし、その上に羽根を縫い留める方法が一般的です。
(参考)リフォームご費用 | ★サンプルA: 羽根フロート(大)1本 ¥24,000 (2本 ¥26,000) ★サンプルB: 羽根フロート(小)1本 ¥24,000 (2本 ¥26,000) ★サンプルC: 羽根付きリストバンド 2個 ¥28,000(バンド代金を含む) |
内訳 | ・オーストリッチボア1本 ¥20,000~ ・加工作業代金 ¥4,000~ ※オーストリッチの価格は仕入れタイミングや密集度により異なります。 ※オーストリッチボア1本(180cm)は1本以内のご使用であれば少量使用でも全量使用でも価格は同じです。 ※ドレスに羽根を装着する個所や方法、取り外し可能式にする場合など、加工代金も様々ございます。 |
オーストリッチをさらに加工してフロートに使う
オーストリッチをさらに贅沢に装飾に使う方法があります。
こちらは羽根代金に加えて加工作業の部分も大きくなり、大変高額なお仕事になります。
仕上がりは見事で人気のある装飾ですが、価格は想像を超えるケースがほとんどでしょう・・・
フジタの社内で「田植え」と呼ぶこの作業は、職人技が光る羽根の繊細な付け方です。
田植え作業の前段階から、とても手間と時間がかかります。
羽根を小分けにし、ノリでこよりを作って、乾かします。
それをドレスの生地に接着剤で1つずつ丁寧に貼り付けていきます。
まさに田植え作業のように、根気が必要な長時間の仕事です。
羽根を付ける間隔を変えることで仕上がりの羽根の密度や印象も大きく変わります。
ご希望の仕上がり具合がある方は、お写真など参考になるものをお持ちいただいた方が助かります。
あるいはご予算をお伝えいただき、その範囲内でお付けすることも可能です。
(参考)リフォームご費用 | フロートにオーストリッチを田植えで付ける 少量¥20,000~ ★サンプルF ¥70,000(フロート1枚分) (土台のフロートから作る場合は1枚¥85,000) |
※オーストリッチの価格は仕入れタイミングにより異なります。 ※お持ち込みのドレスに羽根だけを付けることも、土台となるフロートからお作りすることも共に可能です。(生地によっては羽根を付けられない場合もあります) |
2-2. それ以外の羽根
フジタではオーストリッチ以外にも種類が異なるフェザーをご用意しております。
こちらの素材も前述のオーストリッチ同様、輸入品ですので円安の影響を受けておりますが、オーストリッチほどは原価が高くないため、使用する分量によっては比較的お手頃な価格にてお使いいただける羽根素材になります。ぜひご検討ください。
(参考)リフォームご費用 | リストバンドにマラボー付ける ¥5,000~ ★サンプルG: マラボー付きリストバンド 1個 ¥8,000 (2個で¥10,000、リボンフロートを画像通りに付けると両手首で合計¥25,000) |
※マラボー1本2ヤード(180cm)は少量使いでも全量使いでも同料金 ※マラボーを縫い付ける土台が必要です(ツーウェイ地のお袖や、リストバンド・アームバンド等があれば新たに作る必要はなく、羽根だけを縫い付けることが可能) |
(参考)リフォームご費用 | 袖に羽根飾り付ける 少量¥5,000~ ★サンプルH: 袖の羽根飾り(羽根ミックス使い、1箇所)¥15,000 (両手首で¥28,000、リボンフロートを画像通りに付けると両手首で合計¥38,000、ストーン装飾は含まず) |
※大きな鳥の羽根は30色ほど在庫を揃えておりますが、カラーが合わないこともあり、別のカラーの羽根を新たに仕入れる場合には現在の為替相場の影響を受けて上記よりも高額になります。 ※羽根の種類を混ぜない方法の方が安価になります。 |
3. 社交ダンスドレスのフリルフロート
羽根がお好きではない方もいらっしゃいますので、フリル装飾についてもご紹介いたします。
(参考)リフォームご費用 | ★オーガンジーフリルのサンプルA 1個 ¥12,000 (土台のリストバンド付き、フロート下がり含まず) |
※両手首に付ける場合、2個¥23,000 ※画像のようなフロート下がりも付ける場合、1個¥15,000、2個¥28,000 |
(参考)リフォームご費用 | ★オーガンジーフリルのサンプルB 1個 ¥12,000 (土台のリストバンド付き、フロート下がり含まず) |
※両手首に付ける場合、2個¥23,000 ※画像のようなフロート下がりも付ける場合、1個¥15,000、2個¥28,000 |
(参考)リフォームご費用 | ★オーガンジーフリルのサンプルC 1個 ¥14,000 (土台のアームバンド付き、オーガンジー2色使い) |
※両腕に付ける場合、2個¥25,000 |
(参考)リフォームご費用 | ★オーガンジーフリルのサンプルD 1個 ¥23,000 (フロート下がり含まず) |
※両腕に付ける場合、2個 ¥36,000 ※フリル部分を取り外し可能にする場合は、リスト・アームバンド代金が別途必要。(片腕¥2,000、両腕¥4,000) ※フロート下がりを付ける場合、追加料金¥5,000~ |
(参考)リフォームご費用 | ★オーガンジーフリルのサンプルE 1個 ¥14,000 (土台のリストバンド付き、フロート下がり含まず) |
※両手首に付ける場合、2個¥25,000 ※画像のようなリボンフロートも付ける場合、1個¥17,000、2個¥30,000 ※フリルの縫い目を隠すためにストーン装飾が付いていますが、ストーン不要であれば料金は1個マイナス¥3,000、2個でマイナス¥6,000になります。 |
(参考)リフォームご費用 | ★オーガンジーフリルのサンプルF 1個 ¥16,000 (土台のリストバンド付き、フロート下がり含まず) |
※両手首に付ける場合、2個¥28,000 ※リストバンドのストーン装飾が不要の場合、料金は1個マイナス¥6,000、2個でマイナス¥12,000になります。 |
4. 社交ダンスドレスの立体的なフロート・袖
ここまでご紹介した羽根やフリル以外で人気のデザインをいくつかご紹介いたします。
(参考)リフォームご費用 | ★リボン付きフロートのサンプル 1か所 ¥22,000 2か所 ¥38,000 (土台のリストバンド付き、フロート下がり含む) |
※土台バンド不要の場合、1つ¥18,000、2つ¥30,000 ※手首リボン飾りのみ(フロート下がりなし) 1個¥8,000、2個¥15,000 |
(参考)リフォームご費用 | ★キャンディスリーブ(ジョーゼット製)を付ける 片袖 ¥12,000 両袖 ¥22,000 |
※リフォームの場合、新たにお袖を縫い付ける肩周りに装飾が施されている場合や付いているお袖を外す場合など、別途「外す」ための作業代金が必要となります。 |
(参考)リフォームご費用 | ★フレアスリーブ(2枚仕立て)を付ける 片袖 ¥14,000 両袖 ¥27,000 (フレア付け根のストーン装飾を含まない価格) |
※フレア1枚仕立ての場合、片袖¥8,000、両袖¥15,000 ※写真のようなフロート下がりを付ける場合、片袖2本+¥5,000、両袖4本+¥9,000 |
(参考)リフォームご費用 | ★大きなフレアスリーブ(2枚仕立て、ホース付き)を付ける 片袖 ¥23,000 両袖 ¥36,000 (フレア付け根のストーン装飾を含まない価格) |
※フレア1枚仕立ての場合、片袖¥14,000、両袖¥26,000 ※ストーン装飾の追加は¥5,000よりご予算に合わせて承ります |
5. まとめ
社交ダンスドレスにも流行があります。現在はお袖に立体的な装飾を付けたドレスを多く見かけるようになりました。
ドレスの流行は欧米から始まることが多く、体格が欧米人とは異なる日本人に、そのまま同じドレスが似合うとは言い難い部分があります。そのため、ご自身に最も似合う、素敵なドレスを見つけるために、流行は気にしない方も多くいらっしゃいます。
羽根やフリル飾りをお持ちのドレスに追加する方法はいろいろとあります。オーストリッチのように高価な輸入素材を使う場合は、原油価格や為替相場の影響を受けて仕入れ価格が大きく変わるため、注意が必要です。羽根にも様々な種類があり、オーストリッチほど高価ではない羽根もありますので、ご予算と仕上がりイメージを総合して検討してみることをおすすめします。
リフォームのご相談をされたい場合は、あらかじめ仕上がりイメージの希望などを写真や動画でお探しいただき、ご相談来店の際にお持ちいただけると幸いです。
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ブログ監修者
川合 真桜子
(かわい まおこ)
ダンサー、オペラ歌手。 JDCプロフェッショナルラテンアメリカン元B級 EJBDFプロフェッショナルラテンアメリカンB級、プロフェッショナルスタンダードC級 東京音楽大学 声楽演奏家コース卒業。 同大学院修士課程オペラ研究領域修了。 東京二期会オペラ研修所予科特待生、本科特待生、本科修了時に奨励賞受賞、マスタークラス特待生。 これまでに「コジ・ファン・トゥッテ」よりデスピーナ役、「秘密の結婚」よりカロリーナ役、「魔笛」よりパパゲーナ役、「ドン・ジョヴァンニ(抜粋)」よりドンナ・アンナ役等を演じる。 2019年よりフジタのスタッフとしても就業中。